ゆがみポイント

鏡を見た時などに
①左右の肩の高さが違う
②鎖骨の位置が左右均等でない
③胸の盛り上がり方が左右対称でない
④胸の下の肋骨の盛り上がり方が左右対称でない
⑤腰ベルトの位置が斜めになっている
⑥前から見た時に、腰からお尻の盛り上がり方が左右対称でない

(きれいなくびれは、ゆがみを整えてから)
⑦袖丈(腕)や裾丈(足)の長さが左右で違う

 

後ろから見てもらった時に
⑧肩甲骨の大きさに違いや片側が盛り上がっている
⑨肩甲骨の下の肋骨の盛り上がり方が左右対称でない
⑩皮膚の変色がある(ミルクコーヒー班/カフェオレ班)

(しみの原因はゆがみで変化する事もあります)
⑪背骨のラインが真っすぐでない
⑫腰からお尻の盛り上がり方が左右対称でない

(きれいなヒップラインはゆがみを整えてから)
⑬体毛が部分的に濃い(有毛性班)

(体毛が濃いのはゆがみが原因かもしれません)
ここに列挙した項目はポイントの一部です

前から見た時(緑)

後ろから見た時(紫)



背骨の生理的弯曲

成人の(健常な)背骨は横から見た時に真っすぐでなく、Sの字形に曲がっています(下図参照)。
首の骨7個(頚椎)と腰の骨5個(腰椎)は前方への凸弯(前弯)があり、胸の骨12個(胸椎)とお尻の骨(仙骨と尾骨)は後方への凹弯(後弯)があります。
これを『脊柱の生理的弯曲』と呼んでいます。または、『脊柱のS字弯曲』とも言います。
これは、上記にある側弯とは異なりますのでご注意下さい。

生理的弯曲が失われると背骨や背骨の間にある椎間板にかかる負担が増大するだけでなく、背骨の中にある神経(脊髄)や背骨に付着する筋肉にも問題が起こり、肩こり、腰痛、背中の痛みの原因になる方もいます。
例)長時間の同じ姿勢、同じ動作の繰り返し作業(スポーツも含む)、長時間のパソコン使用、猫背、ハイヒールを着用など。
生理的弯曲が増しても同じような症状(痛み)の原因になる場合もあります。これは身体を支える重心線(前後のバランスを取る中心線)が前方へ移動してしまうのが原因の一つです。
例)妊婦さん、BMI値(体格指数)が標準体重より高い方など。

 

 

この生理的弯曲は歩行や跳躍に際して衝撃を受け止め、脳を震動から守るだけでなく、生理的弯曲に変化が出てしまうと赤い点の部分に痛みやコリを感じやすくなります。
この赤い部分は、骨が移行する部位なので特に他の骨に比べて負荷が大きく周りの筋肉や神経にも大きな影響を与えます。
骨が移行するというのは、後頭部→首→胸→腰→骨盤へと繋がる部位を指します。
上図でいうと頭部から順番に、後頭骨と頚椎1番、頚椎7番と胸椎1番、胸椎12番と腰椎1番、腰椎5番と仙骨(骨盤)です。これを移行椎と呼んでいます。

 

参考文献
図説 体表解剖学 朝倉書店
図解 四肢と脊椎の診かた 医歯薬出版株式会社
標準 整形外科学 医学書院
APPLIED KINESIOLOGY SYNOPSIS 科学新聞社
からだの地図帳 講談社


カイロプラクティックの流れ

※施術時は主に仰向けとうつ伏せで、寝ている状態で行います。
※施術する順序Ⅱ~Ⅴは、順番通りではありません。施術後に再度検査する場合があります。
※検査と施術は、症状や状態に合わせて常に優しく身体に負担が掛からないように必要最小限に心がけておりますので、お子様やご高齢の方でも受けることができます。
Ⅰ.問診
検査と施術をする前に、ご記入いただいた問診表を参考に症状についてお話しをお伺いします。
Ⅱ.骨格の触診検査
初めは、座位(座った状態)と立位(立った状態)で触診検査により身体の状態を確認します。
その後は、仰臥位(仰向け)と腹臥位(うつ伏せ)での状態を検査・確認します。
骨指標となる検査ポイントは、背骨・鎖骨・肩甲骨・肋骨・骨盤・膝・足の長さなどです。
ポイントの位置や骨の大きさ、左右対称か、骨の隆起の仕方、脊柱(背骨)の並び方、骨盤の状態、下肢の長さが仰向けの時とうつ伏せの時で違いはないか、などの検査を細かく行います。

Ⅲ.筋肉および皮膚の触診検査
1.筋肉の触診
右と左で違いはないか(左右差)、隆起の仕方、筋肉の付き方など。
特に重要なのは、背骨を支えている脊柱起立筋群です。
2.筋力検査
神経の伝達が正常に作用し、筋肉が正常に働いているかを検査します。
この時に使用する筋力検査方法は、AK(アプライドキネシオロジー)です。
3.皮膚の触診
症状が出ている部位の熱感や発赤、変色、陥没や隆起など。

Ⅳ.関節の可動域検査
可動域の検査は、モーション・パルペーション(可動性検査法)による背骨の椎間関節や胸肋関節、骨盤の仙腸関節などの能動的・受動的検査を行います。
能動的とは、自分で動かせる関節の運動(筋肉によって動く)範囲(可動域)のことです。
受動的とは、他の人が動かした時の関節の動く範囲(可動域)のことです。
この検査は、関節の可動域が低下、あるいは亢進しているのかを調べます。
可動域の低下とは、関節に制限があり本来の動かせる範囲以下でしか動かない為に、周りの筋肉や他の関節に負荷をかけている状態です。
可動域の亢進とは、関節が本来の動く範囲を超えて動いてしまう為に、周りの筋肉や他の関節に負荷をかけている状態です。

Ⅴ.施術
1.筋肉機能の回復
筋肉は緊張が過度に働いて硬くなっているもの(例.背中の筋肉)と、使われることが少なく柔らかくなっているもの(例.お腹の筋肉)があります。これらの筋肉が正常に働くように調整します。
2.可動性の低下または亢進している関節への調整
個々の関節の動き(可動域)は大きくないので、小さな力で変化を出すことが出来ます。
『てこの原理』を思い浮かべていただけると、分かりやすいと思います。
(手技により小さな力で変化を出せる理由は、骨の形や関節の動きを理解している為です)
3.脊柱(背骨)の調整
椎骨(背骨の1つ1つの骨の事です)の可動域の減少している関節に対して調整を加え、側弯を起こしている椎骨の負荷を減らします。
4.顎関節と骨盤の調整
顎関節と骨盤はお互いに相関関係にあり、脊柱にも多大な影響を与えます。必要に応じて顎関節と骨盤の各関節、それに付随する筋肉が正常に働くように調整します。

Ⅵ.自宅でしていただく体操や対処法の指導
症状に応じて、身体に対するアドバイスをいたします。
例)脊柱側弯症の場合
寝る前に、簡単に(約1分ほどで)出来る体操をお教えいたします。
背骨の弯曲(身体の捻れた状態)の予防と修正をする方法です。

Ⅶ.施術期間
施術期間は症状や状態により変わってきます。
初診終了時に身体の状態や反応を診て、大まかな必要施術期間をお伝えします。
例)脊柱側弯症の場合
今までの臨床経験からすると、腰痛や背中の痛みが出てくる年代は30代~40代前半で(男女比では)女性の方がやや多い傾向にあり、それまでは自覚症状もないために脊柱側弯だと気付くのが遅れる方が大半です。
病院や学校などの検診でも不明だったようです。
このような方たちの場合は、症状の変化・改善には最低でも3ヶ月は必要です。
これは目安であり、脊柱側弯の状態により個人差があります。
施術すると、0.5~1cmの身長の増加(変化)はありますが、日常生活や運動により変化が失われることもあります。
特発性側弯症(乳幼児~成長期)の場合は、定期的な検査と施術が必要になります。


脊柱側弯の検査法

※これらの検査法は専門家が見て判断するものです。自己判断はしないようにお願い致します
Ⅰ.脊柱側弯の検査法(アダムスポジション)
あゆみ堂では、立位(立った状態)と座位(座った状態)で検査します。
①肩の高さに左右差はないか
②左右の肩甲骨の高さ、位置に違いがないか
③ウエストラインの左右非対称性はないか
④前かがみになった時の背部に肋骨の盛り上がりはないか
 (1~1.5cm以上の左右差)

Ⅱ.下肢長(脛骨・大腿骨)検査
下肢(足)の長さが脊柱の弯曲に影響を与える場合があります。
その可能性が考えられる時は下肢の長さを検査しなくてはいけません。
見かけの下肢長差か、真(本当)の下肢長差かを確かめます。
見かけの下肢長差とは、骨の長さの相違によらない下肢長差のことです。
原因として、骨盤の傾斜や股関節、脊柱の問題などが考えられます。

図A.

一側の膝関節が他側より高い場合は,高い方の脛骨が長い。図では,右のすねの骨が左より長くなっています。

図B.

一報の膝関節が他方より前方に出ていれば,出た方の大腿骨が長い。図では左の太ももの骨が右よりも長くなっています。



脊柱側弯の分類

Ⅰ.機能的脊柱側弯
脊柱(背骨)の捻(ねじ)れや椎体(ついたい)の楔状(けつじょう)変形など、椎骨自体の形状変化を伴わない単なる脊柱の側方弯曲した状態です。
これは、側弯の原因となっている問題を解決すれば側弯は消失、または軽減します。
1.疼痛性側弯
腰椎椎間板ヘルニアなどの疼痛が生じ、反射的、防御的に筋収縮が起こって生じる状態です。
2.代償性側弯
脚長差があったり、下肢の関節が不良肢位での拘縮が存在すると、やがて骨盤が側方へ傾くので、腰椎や胸椎が代償性に側弯の状態になります。
3.姿勢性側弯
日常生活や仕事での姿勢、あるいは運動などの反復動作などが原因で生じる側弯です。
(例.足を組んで座る、片側に荷物を持った歩行、ゴルフなど)

Ⅱ.構造的脊柱側弯(症)
脊柱(背骨)の椎体凸側(弯曲している側)への捻れや椎体の楔状変形、椎骨自体の形状変形を伴ない脊柱が側方へC字形やS字形に弯曲した状態です。
構造的脊柱側弯症の70~80%を特発性側弯症が占めています。
特発性側弯症は、本人に自覚症状が少ない為に周りにいるご家族の方の観察が大変重要になります。少しでも徴候がある場合は諸機関で検査することをお薦めします。
1.特発性側弯症
①乳幼児側弯症
3歳以下の乳幼児に発症する。男児に多く、左凸側弯が多い。
②若年性側弯症
3歳頃から小学校低学年ぐらいまでの間に発症する。性差はない。右胸椎側弯が多い。
③思春期側弯症
10歳以上の思春期に発症する側弯症であり、もっとも多い。右凸胸椎側弯を示し、85%が女子である。
2.症候性側弯症
①神経筋性側弯症
②先天性側弯症
③神経線維腫症側弯
3.間葉性側弯症

※あゆみ堂で施術対称となるのは機能的脊柱側弯と構造的脊柱側弯症の一部のみです。